適正な固定残業代の金額を、簡単に算出できる試算ツールを作成し、公開しました(2014年12月)。

算出した固定残業代は目安額として捉え、最終的な給与額は、各自の責任において決定してください。

固定残業代は、運用方法を誤ると労使間トラブルの元となることがあります。

下部の留意点に目を通した上での導入をお勧めします。

WEB 版 2014年12月公開
CASIOが運営しているサイト(自作の計算式を公開できるコーナー)に、「定額残業代の計算」ツールを作成し、公開しました(計算サイト:作者「sr310」です)。

スマートフォンでも試算をすることができます

こちらは顧問契約を締結されている会社様より依頼のあったときのみご提供しています。

固定残業代の計算

試算ツールでは、次の計算式により固定残業代を算出しています。

固定残業代 =( 給与総額 - 固定残業代) ÷ 月間の平均所定労働時間 × 割増率 × 固定残業の対象時間

固定残業代(定額残業代)を導入するときの留意点

1 導入するとき

「固定残業代 ○○円( ○時間分 )」のように何時間分の時間外手当なのかを決め、
基本給その他の手当とは区別して労働者に明示します。
明示方法の例:労働条件通知書を交付、就業規則への記載など

2 時間外労働が、1の「○時間分」を超過していたとき

固定残業代のほかに、超過時間分の時間外手当を払う必要があります。

3 固定残業の設定時間が長すぎる(=固定残業代が高すぎる)とき

所定労働時間分の賃金が少なくなり、最低賃金を下回ることがあります。
各都道府県や業種ごとの最低賃金額も考慮しながら、時間・賃金額の設定をしましょう。

4 法定労働時間(1日8時間、1週間40時間)を超えて働かせるとき

時間外労働の協定(36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出ます。
不明なときは、お近くの社会保険労務士または労働基準監督署にお問い合わせください。

時間外労働の上限

2019年4月(中小企業は2020年4月)から時間外労働の上限が設けられています。

割増賃金や上限規制のことについては、行政機関より発行されているパンフレットをご参照ください。

 東京労働局:しっかりマスター 割増賃金編

 厚生労働省:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

 厚生労働省発行PDF:割増賃金の対象となる賃金は?

求人申込み・労働条件を明示するときの注意点

固定残業代を導入している企業が求人や労働条件の明示を行う場合は、明示方法に注意を要します。

 厚生労働省:固定残業代の適切な表示

 厚生労働省:労働者を募集する企業の皆様へ(P2に明示方法の記載あり)

固定残業代相当の時間を超過したとき

固定残業代の対象時間としてあらかじめ定めている時間(例:30時間)を超過したときは、その超過時間に対して割増賃金を支払わなければなりません。

超過時間分の残業代については、次の計算式により算出することが可能です。

(給与総額 - 固定残業代) ÷ 月平均所定労働時間 × 1.25 × 超過時間 

割増賃金の計算の基礎となるのは「通常の労働時間の賃金」とされているため、上記のように固定残業代を除いた上で単価を算出することができます。

※除外賃金には、「通勤手当」などいくつか定められていますが、ここでは説明を割愛します。以下の厚労省PDF資料をご覧ください。

関連情報のリンクを貼ります。

 東京労働局:定額残業手当を超えた場合の割増賃金の計算方法はどのようにするか

 厚生労働省発行PDF:割増賃金の対象となる賃金は?

最低賃金の確認

固定残業代の金額を高く設定しすぎた場合、基本給等が低くなることがあります。

各都道府県や業種により定められた最低賃金を下回っていないかをご確認ください。

 厚生労働省:最低賃金全国一覧

試算ツールを利用される方へ

  • 「計算式はもっと簡単な算出方法がある」
  • 「算出した金額がおかしい」
  • 「この部分を変えるともっと使いやすくなる」 など

お気づきの箇所がありましたら、教えていただけると幸いです。

連絡先アドレス:sato@office-sato.jp

修正をしたり、今後の参考とさせていただきます。

導入・運用の相談

固定残業代の導入や運用、時間外の労使協定の締結、雇用条件の明示等に関し不明点が生じたときは、 問い合わせフォームよりお問い合わせ・ご相談ください(有償サービス)。